

「伝え方が9割」はコピーライターの佐々木圭一さんが書かれた本です。
私はこの本を読んで目から鱗が落ちるほど参考になったので要約してまとめてみますね。
伝え方の技術
コトバには、とても深いニュアンスが含まれていて、コトバとコトバの掛け算で受け取る人の感情が変わる。
例えば「この領収書、経費でおとせますか?」
と、聞かれるよりも
「いつもありがとう、〇〇さん。この領収書、おとせますか?」
と、「ありがとう」と付け加えると成功率があがります。
「ありがとう」の感謝のコトバに、人は否定をしにくいからです。
さらに、「〇〇さん」と名前を言われると、人は応えたくなるかです。
伝え方は鍛えられる、とも書かれています。
なにげに伝えようとしているのは、例えるなら「温泉ピンポン」レベル。
だから、決めどころでは狙ってスマッシュを打てるようになる。
心に響くコトバの掛け算を考えて発信することが大切。
「心を動かす、コトバには法則がある」
たとえば「考えるな、感じろ!」や「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きているんだ!」のように正反対のコトバを掛け算してニュアンスを強くする方法(レシピ)がある。心を動かすコトバは作れる。料理レシピのように。
ノーをイエスに変えるの3つのステップ

1.自分の頭の中をそのままコトバにしない
(デートしてほしいな)
と、思っていても。
「デートしてください」と言ってしまうのは、結果「イエス」になる可能性が低いのでやめたほうがいい。
2.相手の頭の中を想像する
デートしてほしいと思っていても、そのまま口にするのではなく、ぐっとこらえて、相手がどう考えるか、相手の頭の中を想像しましょう。
何が好きか?
何が嫌いか?
どんな性格か?
例えば「初めてのものが好き」「食べ物はイタリアンが好き」
という情報があったとします。
3.相手のメリットと一致するお願いをつくる
相手の頭の中をもとに、コトバをつくっていきます。
大切なのは相手の文脈でつくることです。
「初めてのものが好き」「イタリアンが好き」を満たすためのコトバを作ります。
「驚くほど旨いパスタの店があるんだけど、行かない?」
これが、相手のメリットと一致するお願いをつくる方法です。
これで「イエス」と言われる可能性があがります。
イエスに変える7つの切り口

1.相手の好きな事
「デートしてください」→あなたのメリットでしかない
「驚くほど旨いパスタどう?」→相手の好きなことをもとにつくり、相手のメリットになった
他の例として
ファーストフード店で時間のかかるメニューを注文してしまい「時間がかかるのなら他のお店にしようか」と思っていると。
店員さんが
「できたてをご用意します。4分ほどお待ちいただけますか?」
この店員さんも、好きな事(できたて)を突いて心を動かしています。
飛行機を降りる時のアナウンスでも、後方に座って居るとき時間がかかって大変ですよね。
「後方のお客様、前のお客様が出られるまで、お席でお待ちください」
よりも
「後方のお客様、お時間がかかってしまうので、ごゆっくり、お仕度ください」
「ごゆっくり、お仕度ください」といわれると気を使ってもらってサービスを受けた感じになります。
2.相手の嫌いなこと回避
こちら嫌いでしょ、だからやらない選択をしましょうという切り口です。
「芝生に入らないで」→あなたのメリットでしかない
「芝生に入ると、農薬の臭いが付きます」→相手の嫌いなことからつくり、相手のメリットに変わった。
「チカンに注意」のポスターよりも
「住民のみなさまのご協力で、チカンを逮捕できました。ありがとうございます」→チカンの嫌いなことからコトバをつくった。
このポスターは効果があったそうです。
相手の頭の中を想像して、嫌な事回避で効果がでる。
3.選択の自由
相手の好きな事からの応用です
「デートしてください」→あなたのメリットでしかない
「驚くほど旨いパスタの店と石釜フォカッチャの店どちらがいい?」→こっちがいい、という比較は簡単にできる。相手の好きなものである上に選べることで、相手のダブルメリットになる。
選択の自由をつくることで、よりあなたのお願いが受け入れられる可能性が増えます。
4.認められたい欲
「他人に認められたい」とか「いい顔見せたい」ときに効果を発揮する技術です。
「残業お願いできる?」→あなたのメリットでしかない
「きみの企画書が刺さるんだよ、お願い出来ない?」→認められているコトバから始まっていることで、面倒くさいこともやってみようとする気持ちが生まれる。
5.あなた限定
人は「あなた限定」に弱い
「自治会のミーティングに来てください」→あなたのメリットでしかない
「他の人が来なくても、○○さんだけには来てほしい」
「あなた限定」は響きますね。
6.チームワーク化
相手が「面倒くさい」「やる必要性がそこまで見つからない」と思っている時に効果を発揮します。
「勉強しなさい」→あなたのメリットでしかない
「いっしょに勉強しよう」→面倒なことであっても、人といっしょであれば動くもの。
7.感謝
最終手段にして最大の方法です
「ありがとう」と感謝を伝えられると、ノーとは言いにくいことを昔から人は知っているのです。
「トイレをキレイに使ってください」よりも
「トイレをキレイに使っていただき、ありがとうございます」
お願いはあなたのコトバではなく、あなたと相手の共作なのです。
「強いコトバ」を作る5つの技術

1.サプライズ法
サプライズ法で1番簡単なのが、「!」を付けること。
「好き」
「好き!」
「かつどん」
「かつどん!」
「!」が付いていると何か主張したいことがあると感じさせ、興味を持たせることができるのです。
他には、
「びっくり、~」
「そうだ、~」
「ほら、~」
「実は、~」
「凄い、~」
「信じられない、~」
「あ、~」
などです。
京都、行こう
そうだ 京都、行こう。
小林製薬
あ、小林製薬
サプライズワードを、相手の心を動かしたい時に使う
2.ギャップ法
「あなたが好き」
と言ってしまえばストレートな言い方になります。
コトバにエネルギーを高める方法として、スタートの地点を下げ、言いたい意味に、ギャップをつけてあげるのです。
「嫌いになりたいのに、あなたが好き」
オバマ前大統領の就任演説でも
「これは私の勝利ではない、あなたの勝利だ!」
これは、「あなたの勝利だ」を強く言って感動をつくったコトバです。
ギャップを作れば、感動をつくることができる。
3.赤裸裸法
「赤裸裸法」とはあなたのコトバに、体温を感じさせ、時に詩人のようなニュアンスをつくりだすことのできる方法です。
くちびるがふるえてる、あなたが好き。
①最も伝えたいコトバを決める
②自分の身体の反応を赤裸裸にコトバにする
③赤裸裸ワードを、伝えたいコトバの前に入れる
ふだん口にしないコトバが効果あり
赤裸裸ワードを入れれば、生命力あふれるコトバに変わる
4.リピート法
相手の記憶にすりこみ、感情をのせる技術
「うまい」よりも
「うまい うまい」
「今日は暑い」よりも
「今日は暑い、暑い。」
リピートをすれば記憶に残し、感情をのせることができる。
5.クライマックス法
寝ている人も目を覚ます、強烈なメッセージ技術
「これだけは覚えてほしいのですが、~」
「ここだけの話ですが、~」
「他では話さないのですが、~」
「誰にも言わないでくださいね、~」
「これだけは、忘れないでください、~」
「一言だけ付け加えますと、~」
「ワンポイントアドバイスですが、~」
「3つのコツがあります、1つ目が、~」
などです。
クライマックス法をつくるには、2つのステップがあります。
①いきなり「伝えたい話」をしない。
②クライマックスワードから始める。
クライマックスをつくれば、切れかけた相手の集中スイッチを入れられる
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